薄っぺらな毎日とマゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋

最近毎日の密度が薄すぎて困ってる。もう一人の僕はと言えば、せっせと国を独立させようと仲間と城を攻めたり、亜空間から世界を救っているというのに、僕はこんなに寝転んで夜更かししていて良いのだろうか。


僕も世界を救わなきゃいけないんだと思う。
多分こうやって、パソコンの前にずっと座ってると、そのうちお呼びがかかるのだ。


「君はあの宇宙人に対抗できる唯一の地球人なんだ。お願いだ、君が地球を救ってくれ!」


「悪いけど、スマブラXでボスバトルの激ムズをクリアしてからにしてくれないか」


さて、どれくらい毎日の密度が低いかというと、それはもう先週見た映画をたいして面白くなかったのに、鮮明に覚えているくらい低い。「L change the world」を彼女に拒否されて、見てみたのは「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」だった。見ている途中で、


「すごくFlaming Lipsっぽい映画だな」


と思ってたら、主題歌が本当にFlaming Lipsだった。なんというか、ポップでメルヘンでドリーミィなんだけど、どこかねじれてる感じが本当にそっくりだったと思う。Flaming Lipsのアルバムを映像化したら多分あんな感じなんだろう。となりのギャルっぽいお姉さんが(ちょっとうるさかったけれど)、「あー! マジあーいうおもちゃ屋行きたいし!」とか言ってたのが楽しかった。ぎゃくどなりに座ってた彼女は眠ってしまっていて、意外とギャルっぽいお姉さんより、彼女のが現実主義なのかなとか思ったりして。


最初につまらない映画と言ったけれど、実は僕、この映画好きなのかもしれない。実は最後のほうのシーンでちょっと感動して泣きそうになってたんだけど、僕は一体何に感動したんだろう。一番好きなキャラクターが会計士の彼なのは確かなんだけど、何に感動したのかはさっぱり分からない。ストーリーなんかないも同然で、終わりも煮え切らない感じだったのになあ。僕はああいう雰囲気に弱いのかもしれない。Flaming Lipsも、実は曲による好き嫌いが激しくて、アルバムを通して聞くことなんてほとんどないのに、たまにすごく感動するしなあ。


まあでも、こんな風に理由のない感動っていいかもしれない。
なんでもりくつずけてしまうのはげんだいじんのわるいくせなのだ!
……ちょっと純粋ぶってみた。