Fate/Apocrypha を見たよ

★★★☆☆

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「神々の王の慈悲を知れ」

 

22話と23話の作画は思わず奈須きのこ氏が褒め称えるブログを書くぐらいの圧巻の出来。荒い線をあえて使い、動に極端に依っていて英雄が槍や剣からビームを出す事を全く恥ずかしがらず真正面から描いた作画には、ものすごい濃密さと本気度を感じ、A1 Picturesが決して「ufotableが作れない時の補欠」ではない事を示したように思えます。

 

しかし物語そのものの薄さはやはり目につきました。ここは作画ではカバーできない部分か。Fate特有の仄暗い感じがないのも相まって「あーアストルフォとジャンヌかわいいなー」と流し見できるゆるい感じになってしまった事は否めません。

 

最初にジークフリートが主人公を身を挺して助けるところから本筋が始まるのですが、そこが残念ながら説明不足で「どうして助けたのか」の必然性に欠けて深みを感じなかったのがとても痛かった。登場人物が多すぎるというよりは、単純に登場人物に深みを持たせる物語の付け方が弱いと感じ、全体的に物語のほうをもう少し頑張ってもらいたいなあと思ってしまいました。

少女終末旅行を見たよ

★★★★☆

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個人的にはノッツさんの漫画を思い出す絵柄。

 

2017年は人が滅んだ後の世界を描くアニメが目立っていた気がする。けものフレンズもそうだし、宝石の国もそうだ。これらの共通点は終末感を使って人間の本質を鮮やかに描き出して行くところにある。動物や宝石を人に似せることで、人間っぽいけど人間ではない何かを浮かび上がらせたりする。

 

少女終末旅行はその中で最も直球で、しっかりと人間が戦争的なにかで滅んでおり、それを直接的に描写するシーンもちらほらある。その中でほのぼの少女二人が哲学をするという仕掛けである。ぽろっと、主におばかキャラのユーリ側が、一言ものすごく本質を突くような台詞を言うのだ。

 

この「てつがく」が刺さるかどうかが、このアニメの感想を大きく左右するのだけれど、僕に限って言えば「ふーん」となる回もあれば馬鹿みたいに刺さりまくる回もあった。特に機械とコラボする9話「生命」と音楽の本質を問う10話「波長」は刺さりまくった。ユーリの一言ではっと視野が広がるような感覚は本当に素晴らしい。

 

音楽と映像がその一点にピークを迎えるように集中する作りは初期の新海誠にも近いかもしれない。

 

ただ、極度にデフォルメされた女の子と寂しい風景は人によってはセンチメンタル過剰すぎて受け付けられなかったり、もしくはだるかったりするかもしれない。僕も回によってはだるく感じたりするのでこの点数である。

ただ、「波長」の盛り上がりは今も心に余韻が残って思い出すと泣きそうになる。そんなアニメ。

 

ついでに、こころりPさんのミクとコラボ同人もおすすめ。機械と終末は僕が最も弱い組み合わせなのに、ミクちゃんなんてでてきたら……。

seiga.nicovideo.jp

ロクでなし魔術講師と禁忌教典をみたよ

★★★☆☆

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金髪の方が正妻枠で白髪はツンデレ

 

ライトノベルの激しいテンプレ化は裏を返せば、テンプレートの中でいかに唯一無二の個性を一つだけでも入れられるかという激しい戦いであり、その点でこの作品の特異な点は……おっと。冴えカノと同じ導入になってしまった。弟が賞をとった同期であり、主題歌はボカロ時代から知るヒゲドライバーさんが作曲、ゆよゆっぺさんが編曲となんだか妙に縁のあるこの作品の売りは、完成度の高い魔法の体系化とGTO的要素にあります。

特に一話二話の導入は素晴らしく、一見クズな先生がひょんなことからやる気になって、暗記ばかりの魔法の授業の本質に組み込んでいくシーンは一見の価値あり。「魔法は究極の自己暗示」から発想を広げて詠唱をプログラミングのように扱った発想はやはり素晴らしく、ニコニコ動画のコメントでも「覇権か?」なんて囁かれていたりしました。

しかし、そこからがちょっと弱かった。回を増すごとに存在感を増す特異点加藤恵と比較すると、だんだんその特異性が薄れていき、最終的にはテンプレ魔法アニメの枠に戻ってしまった感も。アニメ化することで、話を綺麗に詰め込むためか上記の魔法の体系化という要素がどんどん省略されてしまったのもそれに拍車をかけている。GTO的要素が古臭さという方向に働いてしまったのもマイナスかなー。というわけで星は三つ。

モブの生徒にも面白い個性があったり、いい点は多々あるので、個人的には古典魔法ラノベよりはハリーポッター的に学園生活をもっとピックアップする方向に向かって欲しかったです。

異世界はスマートフォンとともに。 を見たよ

★★★☆☆

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この雑なハーレム感が売り。

 

虚無がすごい。時代考証とか世界観設定とか独自のキャラ造形とか、そういうのすべてサボってみんなが期待しているシーンをつまみ食いだけしてできた作品。主人公など最たるもので、作者が転がしたい話に応じて、ある時は冷酷にある時はラッキースケベを狙うエロキャラにと二転三転しパーソナリティが定まらないところで一貫している。
しかし、さすがにここまでやりきった作品は珍しく、なんというかそれが不思議なゆるい空気を生み出しており、それがオリジナリティになっている気がしなくもない。

 

この内容の薄さを「読者(視聴者)に一切のストレスを与えない」まで昇華するとToLOVEるの原作になるのですが、そこまで突き抜けたエロもなく読者はストレスを感じているので、これはその域には達していない。いないのだけれど、アニメ化はしちゃった。なんだろう、やはり虚無。こういう作品が出てくると、そろそろ「なろう系」の衰退を感じたりする。

 

ギャグにするにはテンポが足りない。
エロにするにはラッキースケベが足りない。
バトルにするには設定が足りない。
たまに(4話と11話おすすめ)面白い。
不思議な不思議なアニメ。まるで将棋だな。

スター・ウォーズ/最後のジェダイを見たよ

Yahoo映画に感想書いたよ

二面性を前面に出しつつ根本が情熱的な傑作 スター・ウォーズ/最後のジェダイ - Yahoo!映画

https://movies.yahoo.co.jp/movie/360445/review/7174/

Rewrite 1st/2nd season を見たよ

★★☆☆☆

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金髪オッドアイロリ美少女が戦闘をする図。

 

key こっちに進むのか……というのが大まかな感想。

これまでの「恋愛ゲームのルート分岐にきちんと意味を持たせるシナリオ」「頭のちょっと弱いロリ系女の子」という根幹は変わらずにセカイ系能力バトルにシフトした今作。これを見ると、シャーロットはこの後継だなと思ったりする。 ただ、そもそもkey の登場人物を能力バトルの世界に放り込むのは無理がある。ありすぎる。風子ちゃん内戦地域に放り込んだら3秒で死ぬよ多分。眼帯ロリ系美少女がダンディなおじさまと銃で打ちあうのはさすがに絵的にキツイ。担当会社のCC作画によるモンスターもだいぶキツイ。5年前ぐらいの作画? という感じ。

 

ただそんな中でも「keyらしさ」というか、センチメンタルを畳み掛ける過剰さとか、理屈は分からないがとにかく泣けるシーンとか、環境問題に見せかけた人間賛歌というテーマとかその辺にいいものはあるんだけれど、いかんせんCLANNADリトバスと比べると舵を誤った感じがすごいです。keyの「素人っぽさ」が悪い方向に出ている気が。これだと原作をやる気になれない……。

社会人映画本棚。

<この記事の見方>
・評価については以下の通り
☆☆☆☆☆ 時間の無駄
★☆☆☆☆ 全く合わない
★★☆☆☆ 視聴が辛い・オススメできない理由あり
★★★☆☆ 楽しく視聴できた
★★★★☆ オススメ
★★★★★ 大好き・影響を受けた

2016年視聴

■ シン・ゴジラ ★★★★★
  シン・ゴジラ感想1 - 日本の底力を見せつける傑作 ★★★★★
  シン・ゴジラ感想2 - よくある質問調で
  シン・ゴジラ感想3 - エヴァ:Qとの関連性(3.11以降の日本で希望を見出す物語)
■ 君の名は。 ★★★☆☆  

■ 聲の形 ★★★★★
■ 何者 ★★★★☆
■ この世界の片隅で ★★★★★
■ 劇場版 艦これ ★★★☆☆

(過去作)
■ ダンサー・イン・ザ・ダーク ★★★★☆
■ ガメラ2 レギオン襲来 ★★★☆☆
■ 桐島、部活やめるってよ ★★★★☆

2017年視聴

■ ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 ★★★☆☆
■ ソードアートオンライン オーディナルスケール ★★★☆☆
■ 美女と野獣 ★★★★☆
■ ノーゲーム・ノーライフ ゼロ ★★★☆☆
■ ダンケルク ★★★★☆
■ 劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel I. presage flower ★★★★☆
■ GODZILLA 怪獣惑星 ★★★★☆
  GODZILLA 怪獣惑星 を見たよ - 夕べの夕陽の眩しさの理由。
■ スター・ウォーズ/最後のジェダイ ★★★★★
  スター・ウォーズ/最後のジェダイを見たよ - 夕べの夕陽の眩しさの理由。

2018年視聴

■ 勝手にふるえてろ ★★★★☆
■ シェイプオブウォーター ★★★☆☆
■ ボヘミアン・ラプソディ ★★★★☆ 

(過去作)

■ 打ち上げ花火下から見るか横から見るか ★★☆☆☆
  打ち上げ花火下から見るか横から見るか。感想 - 夕べの夕陽の眩しさの理由。
■ 夜は短かし歩けよ乙女 ★★★☆☆
■ レディプレイヤーワン ★★★★☆
■ シャイニング ★★★★☆
■ 銀魂 ★★★☆☆
■ さよならの朝に約束の花を飾ろう ★★☆☆☆
■ 劇場版 PSYCHO-PASS ★★★☆☆

 

続きはドラえもんゴジラジブリ

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