蛇口。

「…っていう感じのレポートなんだ」
「ふうん、そうなんだ」
「ところで、so-naって自分を台所用品に例えると何?」
「え、台所用品!?うーん…」


…フライパンかな?いや…それじゃ一番最初に思い浮かんだだけだし……
……換気扇……コンロ…洗剤…スポンジ………うーん……


「ぶー、時間切れです」
「ええ!んじゃあ…蛇口!!」
「おお、格好いいな」
「蛇口かあ…思いついた俺、すごいな」
「台所用品かどうかは微妙だけどね」


(捻るだけで、水を自在に流したり止めたりできる)
(流されるべきところと、自分の意思を通すところが分かってる)
(格好よすぎて、自分というより自分の目標だな)
(蛇口が目標とは、なんだか滑稽な話だ)


「じゃあ私は、自分を何に例えたか分かる?」
「えーフライパン?」
「………」
「じゃあ、スポンジ?」
「スポンジねえ…」
「いろんなものを吸い込めるし、吐き出せる」
「うーん」
「答えは何?」


「包丁」


「まな板は嫌だったから、切られるのやだし」
「ああ、うん、まあ…じゃあ、その包丁で何を切るの?」
「ふふふ」


ここからは、貴方のご想像にお任せします。