今さらだけれど「ようこそ実力至上主義の教室へ」を見たよ

f:id:so-na:20190113230412j:plain

http://you-zitsu.com/story/?ep=11

素行も成績も全てがポイント=電子マネーに還元される名門高校のお話。画像は主人公の策略で髪の毛に泥を塗られ川で髪を洗うポンコツヒロイン堀北(嫌いではない)。

 

(以降、ネタバレあり)

続きを読む

社会人アニメ本棚。

f:id:so-na:20190105044259p:plain

https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/ci_pc?workId=22156

見たアニメを、記録しておきたいと思ったのです。アニメーションは本棚なのか。という問いに関しては、DVD-BOXは本棚に置くでしょ? と返します。

 

<2019/1/11>
2017 夏 ようこそ実力至上主義の教室へ 感想リンク追記
2017 秋 魔法使いの嫁 感想リンク追記

 

<この記事の見方>
・年をまたいでいるアニメは開始年で記載
・評価については以下の通り
☆☆☆☆☆ 時間の無駄
★☆☆☆☆ 全く合わない
★★☆☆☆ 視聴が辛い・オススメできない理由あり
★★★☆☆ 楽しく視聴できた
★★★★☆ オススメ
★★★★★ 大好き・影響を受けた
・記号の意味については以下の通り
 アニメ
 劇場版アニメ
 ドラマ

 

続きを読む

ニーア終末旅行 ウタヲウタウキカイ version 0.90

冬コミで「ご自由にお取りください」と配ってみた二次創作をPixivに投稿しました。

是非読んで見てください。一応、ニーアも初音ミク少女終末旅行も知らなくてもなんとなくわかるように書いたつもりだけれど若干その観点では甘いかも。

 

www.pixiv.net

 

【NieR:automata】「一 オナカヲスカセタキカイ」/「ソウナ」の小説 [pixiv]

【NieR:automata】「アーカイブ Vocaloid 4 Hatsune Miku」/「ソウナ」の小説 [pixiv]

【NieR:automata】「二 ウタヲウタウキカイ」/「ソウナ」の小説 [pixiv]

【NieR:automata】「アーカイブ 開発日誌 #233」/「ソウナ」の小説 [pixiv]

【NieR:automata】「エピローグ」/「ソウナ」の小説 [pixiv]

【NieR:automata】「年表」/「ソウナ」の小説 [pixiv]

2018年(に漁った)ゲームソング10選

2018年は洋楽邦楽の開拓が少しおろそかになった代わりにゲームのサントラを聴き漁ったというあまりない年でした。せっかくなので、こちらも年間再生回数付きで紹介します。ただし、これは2018年発売の曲には限らないので悪しからず。

 

10. Beneath the Mask [Persona 5] / Lyn (11)

ペルソナ5の日常曲。ペルソナ5の音楽はなんとアシッドジャズにて全体のテイストが統一されるという近年稀に見るオシャレ感をだしていたのですが、その中でも特にこのエレピのゆったりした雰囲気とオルガンの主旋律がとても気に入っていました。リズムレスの雨の日versionも好きです。

Beneath the Mask

Beneath the Mask

  • provided courtesy of iTunes

9. バトル2 [ファイナルファンタジーⅣ] / 植松伸夫 (14)

京バンドとダイナ四バンドの対バンで演奏してくれた曲。あーこれ好きだったと思い出して急いで買いました。FF4は残念ながら未プレイなのですが、スーパーマリオRPGクリスタラーの曲として印象に残っています。今ならばもう一度、任天堂とスクエアエニックスが夢のコラボをしてくれるのではないでしょうか。

Aとサビ、すべてのフレーズが格好いい理想的な戦闘曲。

バトル2

バトル2

  • provided courtesy of iTunes

8. Zero-G -The Earth- Original [Phantasy Star Online 2] / 小林秀聡 (16)

あまり真面目にプレイしていないPSO2なのですが、この曲は一聴して気に入りまして、サントラを買うまでYouTubeを再生し続けていた数まで含めると5位以内かも。昼の曲なのですが、夜のドライブに非常に合うのではないかと思います。歌詞がランダムにつながって行くスタイルは今後トレンドになるかもしれません。歌詞が完全に記号になるのは切なさも感じるのですが。ゲームにおいてはこのような使い方がちょうど良い歌との距離なんでしょうね。

www.youtube.com

7. 運命 [Drag-On Dragoon 2] / あおい吉勇 (21)

ニーアによって完全にヨコオタロウ信者と化した私はDODシリーズのサントラもすべて買いあさりました。DOD2は1ほどの尖った作風ではないのですが、この曲は抜群に格好いい壮大な悲劇を思わせる曲です。

www.youtube.com

6. エミール/業苦 [NieR:Replicant] (24)

ここからは完全にヨコオタロウ×MONACAシリーズになるのですが、このエミールのアレンジは忙しないドラムンベースに乗せて畳み掛ける曲調になっています。聞くたびに思い出すあのニーア レプリカントの最終章。全員が己の正義のために戦って死んで行く様が心をえぐってきたなあ。

エミール/業苦

エミール/業苦

  • provided courtesy of iTunes

・光ノ風吹ク丘 (18)

同じゲームからこのフィールド音楽も。特にオーケストラ版の編曲がよく、非常にメジャー感溢れる、ニーアらしからぬ曲調となっていてギャップが素晴らしい。 

6. 最後の歌 [Drag-On Dragoon 3] / 石濱翔 (27)

DODといえば「衝撃的なゲーム」紹介動画などで間違いなく出てくる最後の謎音ゲー。ゲームを進めれば進めるほど悲劇度が増して行くエンディングを見せられ、今度こそと必死に武器をコンプリートした結果やっと見られる真エンディングの圧倒的な虚無感から育った危ない人達がこの現代社会に紛れているのですが、歌手の藍井エイルもその一人らしく、クロイウタをアレンジしたこの曲でついに謎音ゲーに採用されて感無量だったことでしょう。コード感のない鉄琴の音が鳴る中、リズムがフレーズごとに変化し曲の印象をどんどん変えて行く、ゲームが先でなければ出てこないような曲です。

最後の歌

最後の歌

  • provided courtesy of iTunes

5. This Silence Is Mine [Drag-On Dragoon 3] / 鬼束ちひろ (28)

そしてDOD3のテーマソングは鬼束ちひろです。彼女の鬼気迫る歌声が横尾ワールドとここまで親和性が高いとは。やっぱり彼女はこういう歌い上げ系の曲を突き詰めて行くべきだったと思います。いろいろな音楽性にチャレンジはしても、この感じに戻ってきてほしいなあと思います。

This Silence Is Mine

This Silence Is Mine

  • provided courtesy of iTunes

 4. 複製サレタ街 [NieR:Automata] / 帆足圭吾 (36)

そしてここからは年間通して聴き狂ったと言って良いニーアオートマタのサントラから。この曲が一番最初に気に入りました。ピアノの厳かなフレーズが無機質な街を思い起こさせる曲で、ニーアの世界観を端的に使いやすいからかいろいろなところで使われています。人形が切り刻まれて「痛い、痛い」と言いながら「命もないのに、殺しあう」と言い放つCMは背筋が寒くなる感じが素晴らしく、なぜ2017年に買っておかなかったのかいまだに後悔します。

www.youtube.com

・Weight of the World/English Version / Keiichi Okabe (32)
・オバアチャン/破壊 /高橋邦幸 (35)
・幸セナ死 / Keiichi Okabe (35)
・還らない声/ギター / Keiichi Okabe (35)
・砂塵ノ記憶 / 高橋邦幸 (38)
・美シキ歌 / 帆足圭吾 (41)
・穏ヤカナ眠リ / Keiichi Okabe (44)

他にもこれだけの曲を30回以上再生してるんですよね。良くも悪くも、僕の2018年を象徴するアルバムと言えます。今は「幸セナ死」のピアノの高い音を大切にしたアレンジが気に入っています。ニーアは最終的にテキストノベルなんかもゲームに入ってくるんですが、特に「幸セナ死」がバックのデボル・ポポルのノベルは印象に残りました。

3. 遊園施設 (NieR:Automata) / 帆足圭吾 (47)

この曲で僕はこのゲームはヤバイ、のめり込みすぎてしまう、と思いましたね。廃墟の遊園地のジェットコースターを駆けながら、この曲が流れて行くシーンでは「ここまで高次元にゲームの映像と音楽がシンクロするなんてあるのか!?」と衝撃を受けました。実際、開発陣もこの曲をそこまで重要視していなかったのに、絵を合わせて見てびっくりしたそうです。

このステージから、敵なのに攻撃してこない存在と主人公は出会うんですよね。そこで相手を殺すかをプレイヤーに委ねる。ヨコオタロウ氏のゲームプロデュースが遺憾無く発揮されている場面でもあります。ゲームだからと敵を簡単に殺すことができる僕たちは、戦争が起こったら簡単に敵兵の頭を飛ばすのかもしれませんね。

百聞は一見にしかず。以下の動画で是非ご体験あれ。

www.youtube.com

2. イニシエノウタ/運命 (NieR:Replicant) / Keiichi Okabe (54)

そしてこの曲です。僕はこの曲を「現代のスカボローフェア」と言い放ってサイモン&ガーファンクルファンの顰蹙を買うつもりでこの記事を書いたのですが、まずは聞いてください。スカボローフェアは、最後のハモりの不安定感が幻想的な感じを出していますが、これは「add9」としてのハモり、一番分かり易いコードCで言えば「ドミソレ」のドとレでハモっています。これ、イニシエノウタの最初の追っかけハモりも同じなんですよ。この「add9」ハモり、本当に幻想的で不安定で大好きな響きなんですが、それをここまで美しく奏でるゲーム音楽が存在するとは思っても見ませんでした。

イニシエノウタ/運命

イニシエノウタ/運命

  • provided courtesy of iTunes

 そしてこの曲も。

Scarborough Fair / Canticle

Scarborough Fair / Canticle

  • サイモン&ガーファンクル
  • シンガーソングライター
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

・イニシエノウタ/デボル (31)

 弾き語りには「add9」ハモりはないんですけれど、それでも素敵なのですよね。つまり、もともと良いメロディの良い曲が、運命でさらに幻想的になったってことなんですよ。この曲はゲーム音楽の名曲として刻まれてほしい曲です。

1. 遺サレタ場所/斜光 (NieR:Automata) / Keiichi Okabe (55)

そして一番はこの曲。ニーアオートマタのフィールドメイン音楽で、こんな美しい音楽とともにフィールドを歩けるだけでこのゲームの素晴らしさがうかがい知れるというものです。ピアノのとてもシンプルなフレーズがメインなんですけれど、これがすごく溢れる光を思わせる素敵なフレーズなんですよ。空間系のPadシンセもまた美しくそっと寄り添う歌は感情を抑えつつもなにか静かな悲しさを思わせます。2018年にはオーケストラコンサートまで成し遂げたニーアシリーズですが、この曲は是非原曲バージョンで聞いてほしいと思います。

遺サレタ場所/斜光

遺サレタ場所/斜光

  • provided courtesy of iTunes

・遺サレタ場所/遮光 (30)

このversionを聞くと2Bのことを無条件に思い出してしまい、心が空っぽになります。

2018年ベストソング10選

今年はゲーム「Nier:Automata」にハマったことから古いゲーム音楽発掘に夢中になってしまい、いつもの年ほど他の曲を開拓できなかったなー、と思っていますがやります。
最後の( )は総再生数です。ではどうぞ。

 

10. Play A Love Song / 宇多田ヒカル (27)

初恋はなかなかとっつきづらいアルバムだった、と素直に思います。淡白なメロディ、シンプルで音数の多くないアレンジは未だ音が多めで派手な曲が多いJ-POPとしてはいささか物足りなかった。しかし彼女のライブでは初恋の曲も生まれ変わるかのように生き生きと鳴らされており、あわてて何度も聞き返したことでこの順位に。

特にこの曲はシンプルな四つ打ちからゴスペルコーラスが絡むあたりが実にセンスがよろしく、アルバムで聴くよりは断然ライブですね。祝福感満載で幸せになれます。

youtu.be

2,472,252 回視聴

9. Summer Gate / 佐藤千亜妃 (27)

2018年はたくさんライブに行けたのですが、きのこ帝国だけ行きそびれてしまったので2019年に期待しています。僕はきのこ帝国のR&Bチューンに弱くて、少しクロノスタシスを思わせるこの曲が一番気に入りました。気だるい恋愛をしている少しスレた女の子が思い浮かぶ歌詞が未だ刺さってしまうのは僕がうまく年を重ねられていないのかもしれないです。全体的にポップスにまとまってた新しいきのこ帝国のアルバムより、全曲方向性がバラバラな彼女のソロの方が刺さったなあ。

www.youtube.com

889,003 回視聴

8. 清廉なるHeretics / 毛蟹 Feat. DracoVirgo (28)

Fate / Grand Order 亜種特異点Ⅳ 禁忌降臨庭園 セイレム の主題歌。今年はボーカロイド曲を漁れなかったのでいつものボカロ枠がないのですが、毛蟹さんはもとボカロPから商業作曲家にStep Upした方だったりしますのでこれもボカロ枠、かな。

とにかく静かなピアノのイントロから最初のサビの多重コーラスのアレンジが好みど真ん中で、その勢いで最後まで聞いてしまった曲です。最後まで聞くとだいぶハードロック調のアレンジになっちゃってアニソン感がしすぎてしまうのはちょっといまいちなのですがそこは商業作曲として仕方ないかな。アニソンみたいなものだし。

セイレムの配信自体は去年だったのですが、魔女裁判というテーマは人間の愚かさを直球で示していてとても好きですねえ。過去の人間が塩で満たした水に魔女候補を沈めて「ほら、こいつは水に浮くから魔女だ! 死刑だ!」とか真面目にやっていたと思うと背筋が寒くなりますよね。曲も不穏なものが揃っていて、この曲以外にも「迷信の街」のずっと同じベースラインが鳴り続ける感じも好みでした。

www.youtube.com

5,912,720 回視聴

迷信の街も是非。再生回数は19回でした。

www.youtube.com

7. WATER BLUE NEW WORLD / Aqours(30) 

今年もラブライブは強かったです。しっかり紅白にも出場していて後ろに二次元キャラの正解ダンスが映る中で(本当に恐ろしい演出、アイマスではやらない)絶対失敗できないパフォーマンスをしっかり成功させていて見事でした。紅白で歌った曲ではありませんが、この曲はアニソンの特徴であるめまぐるしい上に転調を多用するコード進行が楽しめる曲です。サビの途中でさらに一回転調して盛り上げてくるマシマシ手法を使ってきて、アニソンの良い意味での過剰さが楽しめる一品となっています。30回聞いたらちょっと飽きちゃいましたけれど。

コード進行は以下のサイトにあります。
サビの2フレーズ目でわかりやすく+1されていますね。
WATER BLUE NEW WORLD / Aqours | rechord - 演奏もできるコード進行共有サービス

解説記事も見つけました。

fujiwaland.hatenadiary.jp

www.youtube.com

1,292,584 回視聴

6. 初恋 / 宇多田ヒカル (31)

歌い出しから消え入りそうな細い声で歌う新たな初恋。ドキュメンタリーでは最初はリズム入りだったのがリズムをなくしたほうが緊張感がでると気づき、オーケストラを予約するシーンが記録されていましたが、まさにこの選択はバッチリで、この曲のなんともいえない緊張感はリズムレスでなければなし得ないでしょう。

「もしもあなたに出会えずにいたら
 誰かにいつかこんな気持ちにさせられたとは思えない」

という歌詞がまたすごいですね。もはや初恋というよりは、人生の指針との出会いのような、憎みながらも絶対に離れられない何かのような、そんな感じです。

www.youtube.com

10,780,984 回視聴

ショートバージョンで1000万再生ってすごいですね。

5. Break In To Break Out / Lyn (31)

Persona 5 のアニメ版OPですが、これはすごい曲です。何がすごいって、むちゃくちゃシンプルなアレンジなのにアニソンなのですよ。キックと裏打ちのハットのみで手数の少ないリズムを刻み、ギターと少しのエレピでABメロをシンプルに鳴らし、サビでストリングスを入れる。こんなにシンプルなのにこのOP感。ちょうど7位にラブライブの工夫に工夫を凝らしたアレンジの曲を紹介したので対比していただきたいのですが、アニソンって基本ヤサイニンニクマシマシなこってりラーメンなのに、この曲は麺と醤油スープとネギだけで美味しいラーメンなんです!

是非アニメOP映像とともに聞いて欲しい。OP映像もサビで敢えて「静止画」になってライトで音合わせするという小憎さ。引き算の美学ってやっぱり格好いいです。

www.youtube.com

1,696,641 回視聴

4. 鏡面の波 [Orchestra Ver.] / YURiKA (43)

これはごめんなさい。完全に去年の2位鏡面の波を引きずっています。鏡面の波は本当に好きで今年も40回ぐらい再生数を足しました。オーケストラバージョンになるとメロディ自体も美しいことがよくわかるのですが、それで再生したというより、原曲が好きすぎてアレンジもたまに聞いてたら今年4位になってしまった感じです。

僕はロックが好きな人って一応公言しているつもりなんですが、エレクトロニカがそれと同じぐらい好きなの認めざるおえないんですよね。僕もギターより電子音の人かもしれない。実は。

www.youtube.com

86,827 回視聴

3. Be The One / PANDORA (43)

2018年の衝撃的な事件の一つとして小室哲哉氏が音楽業界から引退したことがあるのですが、その前にはAccess浅倉大介氏とユニットを組んでこんな格好いい曲作ってたんですよね。まだまだ小室哲哉枯れてないどころか、テクノのレジェンドたる二人がいまだにこんなにみずみずしいテクノを作って仮面ライダービルドのOPに色を添えるなんて痛快だなと思っていた矢先で凄まじくショックでした。

是非聞いてみてください。一周回って気鋭の新人アーティストのテクノと言われても不思議なこの勢い。でもよく聞くとシンセ使いに二人の匂いもしたり。あー小室哲哉が音楽発表しないなんて日本の多大なる損失ですよ。もう。

www.youtube.com

585,377 回視聴

2. POP TEAM EPIC / 上坂すみれ (45)

2018年で最も尖っていたアニメといえばポプテピピックなんですが、そのOPは意外なほどに格好良い出来でようやく日本にも浸透したEDM、ダヴステップにさらに電波ソングチップチューンの要素を足してできています。この曲を歌いこなすのは、過去に12拍子変態アニソンなどを歌いこなした経歴のある上坂すみれ嬢。いい感じに感情を抑えて歌っているようにも見え、この曲を理解して歌いこなしている感じがあります。

結局このアニメ、この曲以上に尖った曲はなかったように思いますね。

この辺が現在ロックがヒップホップやテクノに遅れをとっている理由かもしれない。つまりテン年代はギターではなく電子音で叛逆するんですよ。きっと。

www.youtube.com

4,514,222 回視聴

これはさらに覚悟を決めないと聞き辛い彼女のデビューシングル。歌が12拍子です。無駄にイントロが長い上に痛い。でもすごく尖っている。

あとやっぱり彼女はなんか目が死んでる気がする。そこがいいんだけど。

www.youtube.com

1. Lemon / 米津玄師 (50)

普通すぎでごめんなさい。

でもこの曲もまた一般受けしまくっているのに批評家も語りやすい曲で、まず最初に「いまだーにあなたーのことをーゆめーにみる(クェッ)」っていう謎の鳥の声のようなサンプリングがきっちり入っていて。これは洋楽好きな人がピンとくるサンプリングです。これをこの美しいバラードにぶち込んでくるのが彼のセンスなんですよね。

もともと初音ミクの曲を投稿していた頃から彼は「美しい」要素と「汚い」要素をまぜて美しく仕上げるのが得意でしたが、よく考えるとそれが得意なのってジブリ宮崎駿なんじゃないかやっぱりトップクリエイターってそうなるのかって感じもしますが、それがプロになってさらに洗練された感があります。一時的にその「自由さ」さが失われたように感じた時期もありましたが、今は編曲家が優秀なのか「あーもしかしてボカロの頃もこれが本当はやりたかったのかな」というように彼のやりたいことが現代最先端のどの要素であるかをきっちり理解して洗練された音に変えてくるので本当に無敵な感じがしますね。

付け加えていえば、この曲はサビのメロディが抜群に美しいです。彼の低い声からひねり出す高音がまたこの曲の美しさに熱を添えています。2018年は彼の年。文句なし。

あと、この曲2.4億再生してるんですが、日本の曲が億再生行く日がくると思いませんでした。日本の人口からして億はありえないと思ってたのですが内訳はどうなっているんでしょうか。時代は完全に変わりましたねー。

www.youtube.com

249,992,478 回視聴

 

以降、次点というより同じぐらい好きなのですが集計方法(2018年発売の曲を2018年の再生回数で並べているので前半発売の曲が有利)によってカウントが少ない曲達。

16. Another Silent Way (Film Edit) / Underworld (19)

今年は地味に僕の大好きなUK勢、UnderworldProdigymuse あたりが新譜を出してくれた年でもありましたが、完全にPOPを取り込み時代進化した muse より、自分の音を突き詰め続ける UnderworldProdigyがピンときました。特にこの曲は Underworld でも久しぶりのヒット。得意の削岩機風のような忙しないビートに、子気味良いシンセがなる疾走感溢れる曲です。

www.youtube.com

18. Future Pop / Perfume (18)

僕は中田ヤスタカのオリジナリティをまだはっきり理解できていなかったなあと思い知らされました。次の作風などいらない、彼はずっとこんな感じで曲を作り続ければそれだけで革新であると、改めて気づきました。Perfumeのライブでこの暴力的に潰された音が鳴らす音の圧の中で踊る姿はすごかった。まだまだ、チームPerfumeの快進撃は続くのでしょう。

www.youtube.com

596,836 回視聴

22. 丸ノ内サディスティック / 宇多田ヒカル&小袋成彬 (16)

宇多田ヒカル椎名林檎は今年も天才でいてくれて助かる、とはゲスの極み乙女の川谷さんのコラムでの発言ですが、本当にそうですね。そしてそんな椎名林檎の曲を宇多田ヒカルと新進気鋭のシンガー小袋成彬でカバー。悪いわけがありません。Jazzyな仕上がりでありながら、クラブでもかけられる四つ打ちでもあり、なんとも浮遊感が心地よい仕上がりです。どうも宇多田ヒカルは最新の音(メロディではなく、音そのもの)にはそんなに興味がないらしく、アドバイスに小袋さんを頼ったりするらしいですね。

www.youtube.com

29. 獣ゆく細道 / 椎名林檎宮本浩次 (13)

今年も天才でよかった。椎名林檎のペアシングルシリーズ、2018年になってわかったのですが、これは彼女のプロデューサー力を見せつけるプロジェクトなんですよね。ウルフルズ宮本浩次と組んで彼らの力を最大限に引き出す。彼女自身はフロントに立ちながらも目立ちすぎずに微笑んでいる。紅白の絵も圧巻の出来でした。今日も人を斬って帰ってきた浪人宮本浩次を迎える花魁の女林檎、そんな世界観を完成させる見事さ。バンドとはパフォーマーなのですね。YouTubeTwitterでみたMステのパフォーマンスを数えるともっと再生しています。

www.youtube.com

9,923,632 回視聴

 

過去ログ。

続きを読む

宇多田ヒカル Laughter in the Dark 2018 at 横浜アリーナ

宇多田ヒカルといえば、若干15歳にして「な なかいめの べ るでじゅわきをとったきみ」というワンフレーズで天才の所業とわかる衝撃的なシングルを発表して音節の切り方を分析する評論家もなんとなく聞いている一般人も虜にしたアーティストである。僕も例に漏れず彼女に心酔した一人で、作曲しながら宇多田ヒカルの多重コーラスとかに影響受けてるなあと思ったりするのだが、彼女の素晴らしいところは「宇多田ヒカルの素晴らしさ」を誰に話しても一定の共感を得られるところである。僕の愛するSUPERCARRadioheadは僕も空気を読んでわかりそうな人にしか話さないが、宇多田ヒカルはお茶の間にもちゃんと届いている。

 

そんな彼女のライブ。いかにもスタジオミュージシャンテトリスの腕は廃人級の彼女は体力がなくライブがうまくないなんて噂も流れたりしていたが、果たして。僕はどんな手を使ってでもこのチケットを取る気だった。しかし、彼女のチケットシステムは札束でも友達の多さでも殴れないように緻密に設計されていた。このシステムは引きこもりオタク美少女ヒッキーの意思が絡んでいると言うのは考えすぎだろうか。

 

しかしそうなると完全な運勝負。落選続きで自分の運のなさに半ば絶望していたところ、土壇場で機材解放席が取れた。しかも初日。最悪宇多田ヒカルはスクリーンでしか見えないことを覚悟したが、座って見れば全体が横から見渡せる席で全然悪くなかった。息を呑んで登場を待つ。待ちながら、僕はこんなに宇多田ヒカルが好きだったのかと再認識した。ドキドキが止まらなかった。

 

(ここからセットリストのネタバレ含む)

 

最初の曲は「あなた」。隣の女の子が彼女が登場した瞬間口を押さえたので横目でちらりと見たらやはり泣いていた。多分「えっ・・・宇多田ヒカル・・・実在したんだ・・・うそ・・・」って感じだったのだと思う。わかる。もらい泣きしそうになった。

 

しかしやはり生で聴く彼女の声はすごい。彼女の声は選ばれし者だけの持つ倍音*1が含まれていると言うが、確かにマイクの音量が特別大きいわけではないし声もそこまで大きくないのにものすごくクリアに聞こえる。そして伴奏と声の馴染み方が半端ない。音が大きすぎるライブは疲れてしまう最近の僕にはちょうどよいバランスでとても心地よい。座りながらゆらゆら揺れていた。

 

次は「道」。軽快な四つ打ちとシンセに切実な歌詞。そしてその四つ打ちを引き継いだまま大名曲「Traveling」になだれ込む。もうすでにここで感極まっていた。よく立ち上がらないで我慢したと思う。

 

Traveling」〜「Colors」〜「Prisoner Of Love」ともっと新作「初恋」を中心に組むと思っていた期待を裏切る名曲のオンパレード。いい歌詞が本当によく聞こえる。彼女の歌詞はその人間性を反映してか不思議と天才感の薄い、日常会話のような言葉遣いをしてきて親近感が湧くのだけれど、その中で突然心に突き刺さるようなフレーズを交えてくるので油断ならない。アッパーなチューンのコミカルな歌詞も例外ではない。鳥肌の回数は数えるのを諦めた。

 

その後の「Kiss & Cry」ではコーラスに「Can you keep a secret?」を交えてプチマッシュアップにしてみたり、「SAKURAドロップス」の最後「好きで好きでどうしようもない それとこれとは関係ない」のリフレインではシンセのアルペジエイターにむかって陶酔感あふれるフレーズを作り上げたりしてみたり。後者の姿は「Everything in its right place」でサンプラーで切り刻んだ自分の声と遊ぶトムヨークと重なった。

 

なんというか、Mac の Logic X と向き合ってコードから曲を作る彼女は、部屋の中で緻密に練り上げて今日のライブを作ったのではなかろうか。それがとても「らしい」と感じて、そこにまた感動した。

 

さらにヒッキー流ロックといった趣の「光」が始まっていよいよ感動しすぎて涙が出てきた。「光」も好きなんですよ。ギターの響きの格好よさと歌詞の素晴らしさ。「真夜中に」ってなかなか「光」ってタイトルで出てこない言葉だと思うんですよ。「テレビ消して私のことだけを見ていてよ」は未だテレビ主流だった当時の時代感も感じつつリフレインにふさわしい痺れるフレーズ。彼女の歌って恋の歌が多いですけれど、不思議と恋愛に溺れた女の子という像が浮かんでこない、歌われている男の子ではなく女の子そのもののほうに興味が湧く。これも個性だと思う。とりあえず、こんな言葉で女の子に口説かれたら、ぞっこんになってしまうでしょう。

 

さらにダンサーを交えて、同性愛を歌った「ともだち」と、ヒッキー自身がまさかのラップを披露したヒップポップ「Too Proud」で、最先端の音もアピール。彼女はすっとステージを後にしました。休憩かな、と思いきや突然、スクリーンにピース又吉との対談が映し出されました。これがこのツアーの最大級のネタバレです。これから参加を控えている人はここでブラウザバック推奨。

 

****

 

一見ただのツアーのテーマ「Laughter in the Dark」についての対談で、ショウの中でその背景を語っちゃうのはどうなんだろうとか頭に疑問符を浮かべながら「まあこういう感じも宇多田ヒカルかな」と思って完全に油断していたら、これ、ガチコントでした。まさかライブ中に本気で笑わせられると思わなかった。かなり長くて全然終わらないし。これは今までのライブの中でも初めての体験でした。又吉氏の脚本すごい。

 

ムービーの途中で新作アルバムの中でももっとも冷たくて暗い「夕凪」が流れてきた時は、まさかこの笑いの流れから絶望に至るのか、ギャップ凄すぎるだろと思ったらただBGMで使われていただけでした。ただ、「ギャップで攻める」という予想はだいたい合っていて、ムービーが終わると歓声が上がり何かと思ったら、センターステージに宇多田ヒカルが登場して「誓い」が始まりました。笑いで緊張感が抜けたところに、すごい緊張感をもった跳ねすぎて前につんのめるリズムが印象的な曲。すごい構成。完全にやられました。

 

そこからもすごい。最も印象的なパートだったかもしれない。彼女の壮絶な体験が目の前に浮かび上がってくるかのようで息が苦しくなった「真夏の通り雨」、飾らないシンプルな美しさで攻めてくる「花束を君に」、センターからフロントにもどった後には「Forevermore」。

 

「Forevermore」。この曲がリリースされた時は小躍りしたのを思い出します。いやあ、リズムも面白くエレピは小洒落てて音楽的に好きすぎるのに歌詞で「あなたの代わりなんて居やしない こればっかりは裏切られても変わらない」なんて歌われるのですから。昔から彼女の歌詞はすごいですが、最近の曲でさらに磨きがかかったような気がします。

 

マイクスタンドが置かれてから満を持して「First Love」、そして「初恋」。20年越しに同じテーマを歌う彼女の成長が垣間見られる小憎い演出です。「First Love」は「明日の今頃には」の部分がとにかく好きで、歌詞とメロディってこんなに綺麗に合うんだなってここでいつも感極まってしまいます。Bメロなのに。「初恋」はよりドラマチックにその瞬間を描いた名曲で、甘い「First Love」と比べると人生の重みとか刹那だからこその美みたいな感じがします。が、彼女も緊張していたのか2フレーズ目で失敗して、やり直す一面も。

 

格好良い流れは絶たれたけれど、これにはガッツポーズしました。だって、初日だけのハプニングとしてツアーに行った他の人に自慢できるんですもの。こういうのもライブの楽しさです。

 

最後のMCも可愛らしかった。話すのが苦手でオタク感溢れてて、それなのに動作がいちいち可愛いの、ライトノベルのヒロインみたいじゃないですか。

 

「これが最後の曲・・・最後の曲、だよね。ちょっと確認、あ、合ってた」

 

「よーしがんばる、がんばるぞ」

 

とかゆるく始めたくせに「Play A Love Song」っていうアンセム鳴らし始めるの反則だと思います。始めるならばちゃんと名曲感出してこうもったいぶって壮大に始めてほしい。可愛らしいガッツポーズで、ほわんと癒してから始めないでほしい。スタンダードな四つ打ちピアノからゴスペル調のコーラス交えつつ、最後はゴスペル要素を前面に出して祝福感いっぱいにするのやめてほしい。センスが良すぎてもう嫌!

 

そのあとのアンコールも、ぶっといベースで始まるジャズ調で物語の登場人物視点の歌詞が珍しい「俺の彼女」から始まりこれまで見せてなかった一面を見せつつ、ついに「Automatic」。最初にも書きましたけど「な なかいめの べ るでじゅわきをとったきみ」でもう名曲確定なのに加えて「声を聞けば自動的に」の楽器のフレーズのような落ちていくメロディがまた独特かつクールでサビでは「It's Automatic!!」と誰もが口ずさめる感じを出してくる。はあ。ため息。

 

3階の人は立ち上がらないでって言われましたが、すいません「Automatic」は無理でした。今まで不恰好に体を揺らしながらよく耐えたなと褒めてください。最後尾なので誰にも迷惑はかけてないと思います。

 

そして最後はベスト収録の「Goodbye Happiness」で完。ベストってあまり好きじゃなくて聞いてなかったんですが、すごくラストっぽい雰囲気を持った曲で、もう一度聞き直しました。これ、名曲でした。アウトロでステージの各サイドにぺこんとお辞儀する彼女が可愛いなと思っていたら電気がついて、僕の夢のような時間は終わりを告げたのでした。

 

****

 

安定感のある伴奏。

小さくても歌詞が聞き取りやすい、楽器と綺麗に混ざる天性の声。

絶妙な音響の元で鳴らされる新旧交えた名曲たち。

落ち着いていてハートフルな観客席。

宇多田ヒカルの自身のかわいらしさ。

意外性のあるムービーの演出。

 

褒めるところしか思いつかない素晴らしいライブでした。今年ベスト確定。というか、全曲イントロドンできるぐらい好きな僕では冷静に判断できるわけないのですが、同じ気持ちの人がたくさんいることを信じています。

 

しかしながら、生身の彼女を始めて目の当たりにして、それでも彼女のつかみどころのなさは一層増してしまったような気がしています。MCとか見てるとお喋り不器用なオタク美人にも見えるのに、ひとたびイントロが流れ歌を歌えば音楽に愛された天才としか思えないし、歌詞は人懐っこく愛らしいのに心に刺さる。二面性、というか、才能とキャラがチグハグ、という感じです。

 

「憧れは理解とは最も程遠い感情」というのは我らが藍染隊長*2の台詞ですが、このライブで彼女への憧れは一層増し、より理解ができなくなってしまったのでした。とりあえず、理解できるまで行き続けたい。次が何年後かはわからないけれど、絶対に。

*1:普通に歌ってるだけで二つの声を多重録音したかのような周波数成分になること。音楽においていらない音を削ることは簡単だが足すことは難しいので、倍音のない人より優れていると言われる。やくしまるえつこ氏とかも持っているらしい。

*2:BLEACHを読んでください