今さらだけれど「ようこそ実力至上主義の教室へ」を見たよ

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http://you-zitsu.com/story/?ep=11

素行も成績も全てがポイント=電子マネーに還元される名門高校のお話。画像は主人公の策略で髪の毛に泥を塗られ川で髪を洗うポンコツヒロイン堀北(嫌いではない)。

 

(以降、ネタバレあり)

■ ようこそ実力至上主義の教室へ ★★★★☆

原作小説の作者はゲームのシナリオ担当出身だそうですが、テンプレを踏襲つつそれにうまいことスパイスを加えてオリジナリティを出しており、ありそうでなかったアニメになっています。少々のあざとさ含めて非常に「うまい」なあと。

実はこの作品、ヒロインの堀北さんをのぞいて大体の人間が腹黒。脚本づくりにおいては「いろいろあったけれど全員いいやつ」とその逆の「実は全員悪いやつ」が王道としてあるんですけれどこれはほぼ後者。

ヒロインの堀北さんがいわゆるツンデレのテンプレート台詞「あなたのことは友達として頼りにしているわでも勘違いしないでよ好きってわけじゃないんだからね」みたいなことを話しながら絵がフェードアウトしていく中で「悪いな堀北、俺はお前を友達だと思ったことはない」から主人公の冷酷な独白が始まるシーンは実にぞくぞくしました。さすがゲーム出身、印象的なシーンの作り方がものすごく上手い。

反面、試験で成績の悪い最下位クラスを勝たせる仕掛けとか、特別授業の勝ち方などのギミックはちょっと肩透かしな部分もあるのですが、あくまでこの作品は天才主人公の考え抜かれたトリックなどではなく、衝撃的なシーンを演出することを重視してるんだろうなと思われますのでまあ、些細な点かと。

ただ、敵側のボスが杖をつきながら歩く美少女でチェスしながら電話したりするのは、流石に古い演出ではと思わなくもなく、そのへんの細かいアラ含めて星は4つ。でもとても見ていて楽しいアニメだったのでぜひ続編を希望します。(ダンガンロンパもこれぐらいいい感じのアニメになればよかったのに、ダンガンロンパはトリックも演出も凝りまくってるせいでこのアニメのように「見せるポイント」がはっきりしなくなっちゃってるんですよね……。)

そう言えば本作のOPであるZAQさんはニコニコ動画の歌ってみた出身だったりしますが、作曲もアレンジも自分での歌もこなすマルチなお方。全然再生数伸びてなかった気がするんですが、よく発掘されたなあという印象です。どこかの会社に目利きがいる。

 

仮想通貨、電子マネーが当たり前になる今後において、私立高校ならばこのような制度を本当に作ることも可能かもしれません。ちょっと入学してみたくなります。