DRAG-ON DRAGOON 3 ★★★★☆*1
続きを読むインターフェースをステートレスにしないヤンデレな妹をどうすれば良いのだろう 〜お兄ちゃん、さっきの台詞覚えてる?〜
みなさまはソフトウェアインターフェイスとはご存知でしょうか。それはソフトウェアとソフトウェアの間の秘め事。お約束。会話。なのです。私はなんのご縁か主に会社に入ってからそればかり考えて生きてきたわけで、これをソフトウェアとソフトウェアの蜜月の恋愛関係を定義するR-18のお仕事と捉えるともはや私は恋愛の伝道師と呼ばれてもおかしくないかもしれないのですけれど、本当みんなこれ、下手くそですわ。おかわいいこと。
一般的にソフトウェアのインターフェイス設計においてバグを少なくしたければ、ステートレスで設計するべきだと言われています。(ここはいくらでも反例はあると思いますが、まあその振り上げた拳を一旦下ろしてコーヒーを淹れてきてください。今回はそこを議論する気はありません)まあ不思議なくらいに相手に状態を求める、いわゆる「彼は私の言ったことを一言一句覚えていなければならない」系のメンヘラ設計者が多すぎる。
今年に入ってうんざり二度目なので、なんでこんなにみんなソフトウェアインターフェイス設計が下手なのか真面目に考えてみました。過去の貧弱な通信帯域時代の負の遺産? いえいえ、違います。本当の原因は、我々人間の会話があまりにステートフルなものだからだと思うんですよ。例えばあいみょんが好きなアフロヘアーのボブと、Xのhideが忘れられない子犬みたいな目のナンシーがこんな会話をするとします。
ナンシー「おやつ何にする?」
ホブ 「ハンバーガーは?」
ナンシー「昨日も食べたじゃない」
ボブ 「冗談だよ」
ナンシー「チョコレートフォンデュは?」
ボブ 「今糖質制限中だから」
ナンシー「じゃあナッツにしましょう」
まあどこにでもありそうな会話でそういえば昨日バレンタインデーでしたね。それはさておき、ここでボブとナンシーが今流行りのAIだとします。ソフトウェアは突然充電が切れたり無線が切れたりします。これはどういうことかというと、上記の会話中に突然ボブかナンシーの頭をサイコパスと化した僕が日頃のリア充*1への恨みを込めてハンマーで殴って直前の会話が飛ぶかもしれないってことです。そんな殺伐とした状況下でもうまく動かないとバグって言われる世界で私たち生きてるんですよ。ひどくないですか。1000兆円ぐらい給料ください。では、殴ってみましょう。
ナンシー「おやつ何にする?」
ホブ 「ハンバーガーは?」
←ここでナンシーを殴ると「おやつ何にする?」からやり直し(セーフ)。
ナンシー「昨日も食べたじゃない」
←ここでボブを殴るとおやつ連続ハンバーガーバグ。
ボブ 「冗談だよ」
←ここでナンシーを殴るとナンシーがデブなボブとの離婚危機になるバグ。
ナンシー「チョコレートフォンデュは?」
←ここでボブを殴ると会話の戻り先がなくなるバグ。
ボブ 「今糖質制限中だから」
←ここでナンシーを殴ると糖質制限が終わるバグ。
ナンシー「じゃあナッツにしましょう」
お分かりですね。ほぼアウトです。離婚危機を避け糖質制限を守りおやつの話題を維持しつつナッツを選ぶことの難しさがお分りいただけましたか。1000兆円ぐらい給料ください。じゃあどうすればいいの? こうすればいいのです。
ナンシー「おやつ何にする?」
ホブ 「おやつはハンバーガーがいいかな?」
ナンシー「おやつはハンバーガーがいいというけれど昨日も食べたじゃない」
ボブ 「おやつはハンバーガーがいいというのは冗談だよ」
ナンシー「おやつはハンバーガーというのは冗談ならチョコレートフォンデュは?」
ボブ 「おやつがチョコレーフォンデュはやめて欲しい、今糖質制限中だから」
ナンシー「じゃあおやつはハンバーガーでもチョコレートフォンデュでもなくナッツにしましょう」
これですよ。ポイントは、すべての文章がそれだけ取り出して読んでも成り立つこと。これでどこで殴っても一個前の会話に戻ることでボブはナッツを食べることができるでしょう。無塩ナッツは食品添加物が入っていないので体にいいですからね。ソフトウェアインターフェース設計ってこれだけなんですよ。これだけなんですけれど、これを教えてもらう機会は公式にあった記憶がない。僕も教えてもらった記憶はなく、たまたま自然にこれを意識せざるを得ないフレームワークを作ったK.K.課長とたまたま作ってたHTTPの通信機能(HTTPは普通に使えばステートレスです。普通に使えば。そこ、URLに番号を振るな! いっぺんに送れば済むデータを2回に分けて送るな!!)の担当だったからなんとなく、分かっただけです。幸運でした。
というわけで、不幸にもソフトウェアの会話を取り仕切る不幸な役目になってしまった人はとりあえず、ステートレスで100回ぐぐってからやるように。
*1:久しぶりにこの言葉を使った
もしもゼーレの会議に堀江貴文が乱入したら
SOUND ONLY「計画はどのような状況なのかね」
****
碇ゲンドウ「滞りなく、順調に」
コンサル「どうも初めまして、堀江貴文に雇われたコンサルです」
コンサル「碇さん、先ほど順調とおっしゃっていましたが、定量的な指標はありますか?」
コンサル「ちゃんとこちらの目を見て話しなさい!」
碇ゲンドウ「!?」
コンサル「いいですか、日程通りに進んでいるからといって計画通りとは限りません。人月で語ってください。先日の使徒との戦いでは期待の破損が大きかったですが予算は足りているのですか」
SOUND ONLY「NERVから予算超過の報告は受けてはおらんな」
コンサル「声だけではニュアンスが伝わりません! 顔写して顔! FACETIMEは誰か持ってないんですか?」
SOUND ONLY「FACETIMEにはプライバシーの問題が……」
碇ゲンドウ「そこはNERV社員が一丸となって修復に当たっている。被害は想定を超えたが、現場社員によってリカバリが可能な状態だ」
SOUND ONLY「我々は国家予算で動く特務機関だ。簡単に予算は増やせない」
コンサル「ふむふむなるほど。ではこちらのツイートをご覧ください」
プライバシー保護のため画像は一部加工しています
コンサル「これが実態ですよ。プロダクトマネージャのあなたが顧客に計画通りと一言言いたいばかりにどれだけの人月と社員の精神が破壊されたんですかねえ。人間の精神リソースも有限なのです。本当に、これで順調とは……片腹痛いですわ」
碇ゲンドウ「(速やかに該当社員を特定し処罰するように)」
NERV事務員「(了解しました)」
コンサル「そもそもですけど、この会議のAIはなんですか?」
SOUND ONLY「AI?」
コンサル「アクションアイテムに決まってるでしょう!? 具体的な行動につながらない進捗会議は全て無駄です! 即刻コミュニケーションのやり方を見直してください」
SOUND ONLY「わ、わかった善処する」
コンサル「善処するはNG! 具体的なアクションに落とす」
碇ゲンドウ「持ち帰って検討する」
コンサル「今ここで解決しろ、持ち帰るな!」
綾波レイ「(会議室から怒号が……社会人って恐ろしいわね)」
****
コンサル「という感じの会議でした」
堀江貴文「LINEでいいやん」
かぐや様は告らせたいを全人類に布教したい〜最新話(第126話)が最高だったので1ページごとに感想を書く〜
今すぐにタイムマシンを用意してほしい。
そしたらかぐや様は告らせたい2期、もしくは3期、もしくは劇場版が放映している未来まで時間旅行をする。そして、今週号のアニメを見てキュンキュンしたい。
松尾芭蕉が松島を見て感嘆符しか出せない気持ちがわかる。
今浮かぶ言葉は「激エモ」「尊い」「最高」そして「こんなキラキラした恋がしたい」なんて、ありふれた感嘆符だけだ。
というわけで、
かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜
「二つの告白」後編
というメモリアルな回の感想を1ページずつ書きます。
かぐや様は告らせたい 13 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜/赤坂 アカ | 集英社コミック公式 S-MANGA
続きを読むもしも僕が石器時代に異世界転生したら
今活躍できている人は、基本的に「運がいい」だけだと思う。
去年はよく北米に出張していた。北米には各チームのエースが集められ、1を言えば10分かってくれる人ばかりでとても仕事がしやすく、僕は裏でそれをバカンスと呼んでいたのだった。なにせ、1を聞いて1やってくれる人の方が少なく、1を聞いて無視する人、1を聞いて1が完璧でないことに文句を言う人、1を聞いて-1をする人がこの世界にはたくさんいるのだから。
ほぼ最年少で課長に昇格したエース中のエースとよく話をした。北米に出張している僕らはどうやら、とてもとても小さな範囲では「仕事ができる人」のサイドにいるかもしれないような気がするのだが、それは果たして日々のたゆまぬ努力の結果かと言うとそう言うわけではないよね、というのが我々の共通見解だった。
明日から Google に転職したら、なんて凄惨な生産性だ、とジョークを投げかけられるかもしれない。
明日からユーチューバーになったら、ヒカキンの5000分の1の再生数がやっとかもしれない。
明日から中国と戦争が始まったら、上官の命令に「サーイエッサー」と言えない無能な部下として隊を危機に晒すかもしれない。
明日から突然石器時代に転生したら「あいつ、猪も狩らずにずっと狩猟プランとかモチベーション向上の方法とか、打製石器のカイゼンとか話してるよ、仕事しろよな」と言われるかもしれないのだ。
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高度経済成長期には、学校教育が生み出す画一的な人材が求められた。ひたすら手を動かし、言われたものを疑問を持たずに作る、ある意味戦場の兵士のような働き方が良しとされた。それは今となっては時代遅れかもしれないが、確かに良しとされていたのだ。戦場の兵士が「この作戦、イマイチだし、俺死ぬ役かもしれないから突入サボるわ」と自分の頭で判断したら、みんな死んでしまうかもしれない。結局、場所次第なのである。
なるほど、今は堀江貴文や落合陽一のような人材が輝く時代だろう。けれど彼らは高度経済成長期の日本に生まれてきたら落ちこぼれだったかもしれない。上司の言うことをろくに聞かずメモ帳に漫画を描いている駄目男だったかもしれない。箕輪厚介がスッキリにでているのはたまたま天職となる編集者になったからだ。
そしてこの話の重要なところは、もし何か時間が歪んで、例えば東京タワーにドラゴンが降ってきたりして、この世界がまた変わり高度経済成長期みたいになったら、彼らはまた落ちこぼれになるかもしれないのだ。上司の命令もろくに聞かず無駄に自分で考えるバカになるかもしれないのだ。
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だから僕らは仕事ができない人をバカにしてはいけないのである。こっち側にいるのはたまたまなのだから。イチローだって、才能の芽が出なければただの根暗練習バカだったかもしれないし、米津玄師だって、ニコ動投稿の最初期に900再生ぐらいで止まって諦めていたらただのサラリーマンだったのかもしれない。僕らは運がいいだけだ。
だから、運が悪い人のことを考えなければいけない。それは自分を救うをことにつながるのだから。もしも僕が石器時代に転生したら、猪を狩るのが怖くて、ずっと竪穴式住居で打製石器を磨いていたかもしれない。そんな男には誰も結婚を申し込んでくれない。僕の代でこの血は潰えてしまう……あれ、この磨き続けた打製石器、すごく切れ味が良くない?
僕はそうして磨製石器を生み出し、ここから異世界無双ライフが始まる。稲作のプランニングもバッチリで、弥生女子に毎日結婚を申し込まれていやもうほんと困るんですよー。異世界最高ー。
みたいなね。人間って、面白っ。
きのこ帝国の佐藤 千亜妃はどうして「アホくせぇ」と歌わなくなったのか
僕ぐらいになってくると自己啓発本を読む時には「あれ、やっぱりタカフミ(注:堀江貴文)も同じこと考えてたんだ、わかるー☆」とか「ニシノン(注:西野亮廣)の発言にいいね連打したい」とか「ミノワー(注:箕輪厚介)の本超わかりみが深いんだけど!?」とか思いながら読むようになる。自己啓発本を読むと心が汚れると信じている僕がおそらくこの前に自己啓発本を読んだのは、本能寺の変が隣の寺で起こり騒がしかったあの夜に睡眠導入剤のつもりで読んだ「バカの壁」だが、やはり「タケシ(注:養老孟司)も同じこと考えてたんだ」としか思わなかった。なにせ僕の家庭では旧石器時代のころから世界に一つだけの花をディスっていたからである。その頃には(多分歴史書からもすでに記述が消されているので信じてもらえないと思うが)SMAPという超人気グループがいて、アウストラロピテクス一甘いマスクの木村拓哉がまわりの類人猿を虜にしていたのだ。
しかしこの世界において無駄なことはないとはよく言ったものだ。自己啓発本を読んでわかるのはこの世界の住民たちはいかに漫画を真面目に読まず音楽を真面目に聞いていないかということである。「死ぬこと以外かすり傷」は、仕事を引っ張るリーダーとして海賊船の船長のように(本当にこうやって書いてある)やりたいことだけ言ってあとは全て部下に任せろとか、もはや半分ぐらいONE PIECEだった。
ホリエモンは「バカと付き合うな」で「今を生きろ」と言っていたがこれはもはやBUMP OF CHICKENの天体観測で言う「今というホウキ星 君と二人追いかけている」に他ならない。「オウイェイ、アハン」という記述がなくて良かった。
そしてこれらの本に書いてあることの多くは「アカギ」と「カイジ」にも当然書いてある。福本伸行のアカギ、カイジ、ゼロ、金と銀などの多作ぶりと最近のハンチョウ、トネガワのスピンオフの好評ぶりなどまさに「多動力」で記述された生き方そのものである。なんなら堀江氏は「余計なものが付いてくるから牢屋でデトックス」なんて言っていたと「死ぬこと以外かすり傷」で書かれていたが、これは天の方の老アカギの「成功を捨てろ。人は成功に捕らわれていきている実感を失う」という姿を実践しているようですらある。
そう、僕らが読んでいる漫画もライトノベルも映画も音楽もゲームも脳死ゲーと呼ばれるスマホゲームですら、その全てには自己啓発要素が含まれている。ただただ、それに「自己啓発本」もしくは「ビジネス書」と書いていないが故に気づかない人がいるだけである。
そして僕は非常に真面目なので、その多くに書かれている「自ら考えること」をそのまま実践するため、日曜日に買ってきた自己啓発本を破り捨ててたき火に放り込んだ。たき火の煙が細く長く空に舞ってその向こうにホリエモンが「よくやった」と笑っている気がした。そういえば、夕焼けを見るなんて久しぶりだな。会社の窓のない部屋からも深夜帰宅の電車から見る車窓からも夕焼けが見えたことはない。切ない。そういえば、昨日も夕焼けを見ながらそんなことを考えた気がしてきたけれど。
実際「死ぬこと以外かすり傷」の著者は(僕と異なり)不真面目に読書をする人たちに苦言を呈していた。「行動しろ」と言うと何も考えずに会社を辞める人や考えろというとずっとスマホを「にらみつける」して守備力を低下させている人を見て切なくなり、最近は「いい感じにやれ 任せる」としか言わなくなったという。
いい感じにやれ
— 箕輪厚介(アジア進出)死ぬこと以外かすり傷 (@minowanowa) 2019年1月19日
任せる
しか言わなくなった。 https://t.co/1DAg8Fd74e
(このツイートの最初のリプライがまた面白い。まったくこの文脈を読んでない)
確かに僕が読んだ「バカと付き合うな」も「死ぬこと以外かすり傷」も読み物としてドライブ感があり非常に面白かった。
確かにホリエモンが「人はもともとやりたいことを持っているが、平均化と我慢を美徳とする学校教育で忘れてしまった。周りに夢を持つ人間がいれば昔を思い出せる」なんて人間賛歌をぶち上げている人だと知って新鮮だった。
確かに箕輪厚介さんの言う「意味がないしわくわくしない仕事をこなすのは僕は仕事に対して【不真面目】だと思う 」と言う言葉は心に刺さった。
しかし、僕がこれらの本を読み漁って得られた本当に大事な知見は、自分が寂しがり屋で構ってちゃんで暇で暇でしょうがないのだ、というあまりにも当たり前で虚しい事実だった。僕が読みふけった、ジョエル・スポルスキの本は彼女との待ち合わせで偶然見つけた本だった。僕は多分、その頃を思い出して行動してしまったのだろう。しかし因果を逆転させることはできない。本屋で本を探しても彼女はできない。
結局のところ、ホリエモンが正しくて、全ての人間がやりたいことを持っていたとしても、それが彼女に「ビジネス本なんて読んでないで、夕食の支度手伝ってよ」と言われることだと気づき一人暮らしの小さな部屋の片隅で泣く、僕のような矮小な人間が存在するのだ。やりたいことが世界を変えることであるなんて少数なのだ。もっと尖っていた頃の佐藤千亜妃に吐き捨てて欲しい。「阿呆くせえ」と。
結局最近の僕が最近得た一番の知見はビジネス書の言葉でもインフルエンサーの言葉でもなく、友人の「Pairsで出会うためには、三連休前の金曜日に登録して新着リストに載って土、日、月で相手を探す人を狙って機会を増やすことだよ」である。なるほど。これで僕も寂しい土日から解放されるのか。もう一度言おう。アホくせえ。