Come To DaddyEP/Aphex Twin

カム・トゥ・ダディEP
受験生だったころ。塾の自習室を借りて夜まで勉強し、帰り。電車から降り、駅から家に向かう十分間。
そのときに音楽を聴くのは、本当に至福の瞬間でした。夜道で聞く音楽は暗めで幻想的なインストがいい。自転車置き場でわざわざMDを換えていたのを思い出します。
そして、本当によく聞いていたのが、このEPの『Flim』。変態Aphex Twinが、いつも思い出したかのように一、二曲いれる、ただ純粋に美しい曲。オルゴールのような音が奏でる美しくて、どこか物悲しいメロディ。絶妙な距離感で鳴る、シンセストリングス。乾いたリズムが少しだけ疾走感をそえる。枯れた疾走感を。本当に夜道に合います。素敵な時間です。
そしてそのあとは大体『IZ-US』も聞きますね。無邪気な子供の声から始まる、この曲もただただ美しい。乾いたリズムがたまらなく心地いい。
・・・もちろん、Prodigyを馬鹿にしたかのような、『Come To Daddy (Pappy Mix)』もいいし(この曲は児童虐待を「する」側から歌った、Aphex Twinなりの「児童虐待反対」をしめすものなんじゃないか、と言う意見も聞きました)、いつもの変態ぶり、悪戯ぶりが楽しいです。『Bucephalus Bouncing Ball』なんか、ヘッドフォンの中で、普通にボール跳ねますからね(笑)気持ち悪いのが気持ちいいです。
しかし、本当に僕にとって大切なのは『Flim』『IZ-US』ですね。また、孤独な夜道を、この二曲をつれて、走って行きたくなることがあるだろうな。