Def Tech/Def Tech

Def Tech
ただ矛先にあげるんじゃ、少し卑怯くさい気がするので、このCDのレビューを書いてみます。前も言ったように、音は結構好きなんですよ。いろんな楽器を使った、全体的にゆるめなトラック(iTunesではReggaeにジャンル分けされてた)にメロディアスなラップ*1がのる。とりわけメロディはなかなかいい感じで、英語詞から日本語詞になるところに、わざと印象的なメロディを持ってきたりするのは「うまい!」と思います。声も、二人とも曲の雰囲気にあったゆるめな声で、なんかよく分からんけど、コーラスもうまい。一番好きなのは、やっぱり有名な「My Way」で、気持ちいいアコギとサビのメロディが好き。そして問題の歌詞も、手を差し伸べておいて「でもいつまでも そばにいないから」といい具合に甘やかさないものなので、共感こそしないものの、むかついたりとかは、ない。


ただ、他の曲でこれはないだろ・・・て歌詞が多いんですよ。特に「Quality Of life」は曲は一番気に入ったのに、歌詞にいらいらして素直に聞けない*2という迷曲。女性問題を扱った曲なんですが、これ以上ないくらい薄っぺらい取り上げ方。時代錯誤もいいとこ。今時女性に「この奴隷制から逃げて」とか、「戦争好む男バカどもの家庭守ったのあなたのおかげ」とか。いやいや・・・何十年前の話ですか?正直、むかつきます。女性だって今更、こんなふうに言われてもうれしくないと思うんですが・・・どうですか?Hip Hopは主張が根底にある音楽だから、それをなぞったのは分かるんだけど、ただなぞるだけじゃいけないと思うんだよね。社会問題扱うならもう少し勉強してください。それであっと驚く観点から歌詞にして聞かせてください。小学生じゃないだから「みんながわるぐちじゃなくて、ひとのいいところをみつけていえばいいんだとおもいます」とかいうようなキレイ事だけで世の中の社会問題が、解決するわけないのは分かるでしょう?この曲だけでなく、全体的に「小学校の校長先生が朝礼で話す」レベルの日本語詞がちりばめられてるのにはどうも・・・ね。いっそのこと全英語詞だったらこのCDをもっと気にいっていただろうに。


Def Techだけでなく、もっと言葉に力を持っていいはずのHip Hop(に限らずラップ全体)の歌詞が、なんか最近軽く見られすぎな気がします。別にみんながみんなシリアスなラップしなくても良いと思うのだけど、最近あまりにね。エミネムとか、過激な批判の詞だけじゃなく、胸に響く歌詞も歌ってるよ?


ZAZEN BOYSぐらいの「刺さる詞」が必要だと思う。そんな歌詞が歌えるラッパーが、もっとヒットチャートの上に来れるような世の中にならないかなあ・・・

*1:日本だけだよな、こんな言葉が出てくるの・・・これも日本の個性?

*2:僕だけですか?・・・でも普段邦楽ばっか聞いてる友人も同じこと言ってましたよ