Takk.../Sigur Ros(first impression)

・・・ずっと『Sæglópur』冒頭のピアノが耳元で鳴り続けています。音楽って不思議ですね。「ドレミファソラシド」と黒鍵盤しかないのに、もう何百年も人は曲を作り続けているのに、まだこんなに美しいフレーズが残っているなんて。結論からいうと、もう、素晴らしいアルバムでした。祝福と歓喜に満ちた11曲。どちらかというと内省的だった「()」にくらべ、外に開けている、開放感満ち溢れるアルバムになってます。展開もメリハリが利いていて、「()」や「Ágætis Byrjun」では三分繰り返していたモチーフは、今作では二分だけ繰り返して、次に展開していく、という感じ。もちろん、どちらがいいとかではなく、まだ、最高傑作と言い切るには早いですが。でも、もう何回もネットのループで聞いていたはずの二曲目「Glósóli」をいい音で聞いたとき・・・あの轟音ギターに包まれたときの、高揚感と幸福感で涙が落ちそうになってから、もう冷静ではいられませんでした。やっぱり彼らは凄いよ。


モーツァルトは、若くして死んだことから「彼は、天国で鳴っている音楽を地上に届けるために生まれてきたんだ」と言われている・・・ということを、聞いたことがありますが。じゃあ今、天国ではこの「takk...」が鳴っていて、Sigur Rosはそれを届けるためにこの世にいるんじゃないかって・・・ちょっと思いました。ロマンチズムに走りすぎかな。あ、でもモーツァルトみたいに早死にしてもらっては困るなあ。まだ僕らに、素敵な音楽を、もっともっと届けて欲しいから。


今日は『Sæglópur』と一緒に寝ます。