お祭りと出店

人ごみが必要以上に好きじゃなくて、大学祭なんかにもあんまり積極的に参加せず、「テスト勉強が終わらない?大学祭期間中にすればいいじゃない」みたいな、さながらマリー・アントワネットのような*1立ち位置にいるはずでした。しかし、去年は魅力的な人脈に惹かれて実行委員に入って裏方として働き、今年もなんだかんだで、模擬店に協力することに。これはあれですかね、自分を素直に見つめてみれば、僕は祭りが好きなんですか?



とにかく、当日は早起きして、テントなんかも張ったりして、そこそこ働いていたんですが、困ったのが「勧誘」。思った以上に人々の反応は冷たい。もしくは実際は冷たくないのに、冷たくみえてしまう。


口論したらそこそこ戦える自身のある僕も、勧誘となると「フルーツポンチいかがですかー?」の一言でもう全力投球。かろうじて口に出せた「ボリュームたっぷりでお得ですよー」が気付いたら「量が多いですよー」に変わっている始末。量が多いですよってまあ、水で割ったフルーツポンチぐらい味気ない言葉だこと。「わあ、量が多いんだ☆」なんて思う人がいるわけもなく、気付いたら女の子三人組を、部長がうまく勧誘して、フルーツポンチを買わせている光景が。ああ、なんて無常な世の中。僕の勧誘は素通りしたのに・・・。


と、そんなふうにして、俯きがちな看板を俯きがちにもっていた僕に、手を差し伸べたのは少女三人組でした。


「スイマセン、この抽選会場ってどこですか?」


フルーツポンチ買ってくれるわけじゃないけど、なんだかこころがあたたまる。正直僕もその場所はよく分からなかったけど、少なくとも実行委員の人がいるところに導くようにする。なんかいいことをしたような気分になる。見守っていた模擬店仲間が、にやにやしてる。うん、別に子供が特別好きとかじゃないけど、子供ってなんだか純粋でいいな、とか思ってしまった夏の午後。


ちなみにそんな中、炎天下だったからかフルーツポンチは思ったより売れまして。二缶ほど大きな缶詰を売らないまま見落としたのがなければ(痛い)、ビックマックが食べられるよりももう少し、黒字になったのにな・・・っていうぐらいにはもうかりました。まあ、利益とかよりも、模擬店を出すっていうこと自体がなかなか貴重な体験で、そこそこ面白かったんで、よかったです。


「so-naって挙動不審だったよね?」「うん」「うん」
って言われたとしても、面白かったんです。面白かったんですよ?



ちなみに、その後のテストは、さながらマリー・アントワネットに反抗しする民衆のような粘りで頑張ったつもりでしたが、やっぱりそれほどふるいませんでした。いつものことといえば、そうなんですけどね。

*1:「パンがなければ、ケーキを食べればいいじゃない」