ディズニーランドへ④ 帰りのバスの中で

旅行っていうのは、いつだって不思議だ、と思う。
その中には辛いと思う瞬間や、もう帰りたいと思う瞬間が少なからずあるのに、
眠りが迫ってきてとろんとしながら、起こった出来事の一つ一つが白い布に通されて、
きらきらして透き通った部分だけが頭をよぎっていく。


そんな書き出してブログを書こうかな、なんて思いながらバスに揺られている。
もうそろそろ消灯時間で、黄色く光る薄暗いライトだけが車内を照らしている。
眠気も増す一方で、僕はiPodminiで音楽を聞きながらうとうとしていた。
イヤフォンの片側は彼女がつけている。
彼女はといえば、さっきから「ワタシ、モテキカモ☆」とかわけの分からない呪文を唱えながら、
他の男の子とのメールに興じていて、コノヤロウと思ったので、
James Bluntを早々に切り上げて邪魔になるような音楽ばかりかけてやった。



本日のDJ so-naによる選曲


Technologic … DAFT PUNKのロボヴォイステクノ
ディズニーランドへ … タイトルだけは旅行向き、けどとてもダークなBrankey Jet Cityの曲
Drums in white room … あれ、知らないな?と思ったあなたは正解
VentolinAphex Twinのずーっとピーピー言ってる拷問を受けているみたいな曲



がしかし、3曲目の自分で作った曲を流した時に、「これってso-naの作った曲だよね?」
とか言ってくれたので、なんかさすがにピーピーガーガーのVentolinを流す気はなくなったり。


仕方が無いから両耳で、ストレイテナーの新作を聞く。
そっぽを向いたまま、彼女の手に触ってみると、相変わらず柔らかい。
BGMで神聖な気分になりながら爪をつるつるなぞっていると、なかなか楽しくなってきた。


「あ、これなんか楽しい」と口に出して言うと、
「私は楽しくない」だって。


まあいっか。そろそろ寝よう。黄色い電灯も消えてしまったことだし。




旅行っていうのは、やっぱり不思議だ、と思う。
その中には辛いと思う瞬間や、もう帰りたいと思う瞬間が少なからずあるのに、
眠りが迫ってきてとろんとしながら、起こった出来事の一つ一つが白い布に通されて、
きらきらして透き通った部分だけが頭をよぎっていく。


バスが名古屋に帰るまで、あと六時間。