日記12

ゴミのような、レポートを出してしまった。


レポートにおける一番の重要部分である、「考察」がほぼ白紙のまま、
僕は提出期限の一分遅れまで粘って、悔しさに唇をかみながらそれを提出した。
あんなレポートを出すくらいだったら、紙いっぱいに痛々しい詩でも書いたほうが、
むしろ同情点をもらえるんじゃないかとすら思った。
そう思った瞬間、寝不足の弊害か、胃がきりきり痛みだした。


ああ、どうして勉強に身が入らないのだろうか。


そんな、高校時代に舐め尽した問題を、今更考えてみたりしても虚しさが募るばかりで。
ならむしろ逆に、僕にとって今身が入るものとは何なんだろうかという話。
僕は、今夢中になれるものを、とりあえず羅列してみることにした。


・World's End Girlfriendの新作、「Hurtbreak Wonderland」
・彼女が手を引いていく夢と、その続き
MOTHER2
・彼女


ほとんどが現実から微妙に座標のずれた、作られた世界だった。
なるほど、詰まる所、僕を世界から繋ぎ止めているのは彼女だけだということか。
なんて酔狂なのろけ日記だろう。僕は思わず、部屋の電気を消す。


真っ暗な空間で、また「世界の終わりの彼女」が、雄弁に語り始める。
ギターノイズが吹きすさび、ドラムが雨のように身体を打つ荒野に僕は飛ばされる。


そういえば、あれから夢の続きは見れていない。
そういえば、冷蔵庫の中にたたずむきゅうりのお姉さんとは、あれから話せていない。
どうにも人を寄せ付けない雰囲気があるんだよな。
塾の最後の時間まで一緒になったのに、結局一言も言葉を交わさなかった。


「……ふうん、まあいいじゃない。」
「うん、まあいいや。」


「酔狂な現実逃避と、考察のないレポートについての考察」2007.05.23.23:25pm